日暮かごめ(ひぐらし かごめ)は、高橋留美子原作の漫画およびアニメ『犬夜叉』のヒロインであり、アニメオリジナルの続編『半妖の夜叉姫』の登場人物である。
概要[]
現代の日暮神社に住む女子中学生で、家族構成は祖父、母、弟の4人暮らし(父は不明[4])。好物はおでんとアイスクリーム。料理は普通にできる[5]。昔、水泳教室に通っていたらしく一応泳げる。可愛いものが大好きで、たとえ妖怪であっても可愛らしいと感じたものは抱きしめたがる。
15歳の誕生日に、神社内の祠にある骨喰いの井戸から妖怪・百足上臈に引きずり込まれて戦国時代にやってきた(骨喰いの井戸を通って現代に戻ることもできる)。そのなりゆきで犬夜叉の封印を解く。巫女・桔梗の生まれ変わりでもあり、体内から四魂の玉が出てきた。それから妖怪・屍舞烏を退治しようとして誤って四魂の玉を粉砕、そのかけらを日本中に散らしてしまったことから、彼女の戦国時代での旅が始まる。
戦国時代では基本的に学校のセーラー服を着用している。スカートが非常に短いが、原作者の意向でパンチラはない[6]。るーみっくヒロインのご多分にもれずスタイルが良く、初期に一度だけ水着姿[7]を披露しているほか、風呂好きでもある[8]。また自転車や、大量の荷物を詰め込んだ巨大なリュックサックを現代から持ち込んでいる。中身は勉強道具、救急セット、食料、レジャーシートなどで、最初は周囲から珍しがられていたが、のちに仲間たちもそれらを使いこなすようになる。
度胸があるのか場慣れしたのか、凶悪な妖怪に接しても怖気づかない。だがミミズなどの虫系統は苦手。仮病を使って何日も学校を休んでいたり、高校受験を控えているためか、戦国時代にいても勉強を怠らない。しかし努力も空しく、以前は学内試験において30番以下の順位をとったことがなかったのが、戦国時代を行き来するようになってからは成績がどんどん低下してしまう。普段は大人びた言動をとる反面、年相応らしく恋愛に関心を向けることもある。
最終決戦にて奈落を倒したことで四魂の玉に取り込まれかけるが、後を追ってきた犬夜叉とともに玉の消滅を願い、現代に生還する。その後は井戸が過去へ通じなくなり普通の高校生活を3年間送るが、卒業後、犬夜叉とともに生きることを望んだことにより再び戦国時代に行き、彼と再会。楓の村で巫女見習いとして生活する日々を送る。以後は巫女装束を着用している。現代においては、高校卒業後すぐに嫁いだことになっている。
他の登場人物との関係[]
犬夜叉[]
最初の頃は犬夜叉とは口喧嘩が絶えなかったが、戦いの中でともに危機を乗り越えていくうちに信頼関係を築き、いつしか相思相愛の間柄になる。犬夜叉の近くで「おすわり」と言うと彼の首に付けられた言霊の念珠が反応し、犬夜叉は地面に叩きつけられる。犬夜叉が暴れたり、彼が鋼牙と喧嘩したりした場合などによく使う。犬夜叉が悟心鬼との戦いで妖怪化し、人の心が失われた際にもこれで鎮めた。
桔梗を二度目の死から救えなかったことを強く後悔し、犬夜叉との関係も危惧されたが、自分の身を案じてくれる犬夜叉の提案を退けて「ずっとそばにいる」と決意。四魂の玉との戦いが終わって現代に戻り、3年が経ってもその想いは変わらず、最終的に犬夜叉とともに戦国時代で生きることを選んだ。
七宝[]
珊瑚[]
弥勒[]
楓[]
現代の家族[]
現代の友人[]
鋼牙[]
菖蒲[]
殺生丸[]
かごめと殺生丸は最初は敵対的な関係にあり、当初の殺生丸はかごめを殺そうとしたこともあったし、序盤の冷酷非情だった殺生丸に対してかごめは「あんな血も涙もないやつは許せない」とも発言していた。
だが殺生丸がりんや神楽との出会いを経て慈悲の心を持つようになり、かごめを含めた犬夜叉一行とも共闘することが多くなると、そのような不和も消えていく。完結時には、かごめが殺生丸のことを冗談まじりに「お義兄さん(おにいさん)」と呼びもした。
桔梗[]
奈落[]
能力[]
四魂の玉の気配を感じる、弓矢で妖怪を打ち倒す、邪気を浄化する、敵が放った呪いのかけられた式神を敵に向けてはね返すなど、桔梗譲りの様々な神通力を使える。その中でも、破魔の矢の威力は奈落でさえ命中すれば粉々になり、鉄砕牙の変化を解いたり瘴気を浄化したりなど妖力を持つものを浄化できるが、弓術は桔梗に及ばない様子[9]。
梓山の弓を手に入れて瞳子と戦ってからは、盾となるものや障害物があっても、それをすり抜けて標的を撃ち抜く「消える矢」を放つことができるようになる。四魂の玉がある限り、四魂の玉に本来の霊力を封印される。
装備[]
- 弓矢(ゆみや)
- 梓山の弓(あずさやまのゆみ)
- 現代の道具(げんだいのどうぐ)
技[]
- 破魔の矢(はまのや)
- 邪気払い(じゃきばらい)
- 霊力返し(れいりょくがえし)
- 結界(けっかい)
- おすわり
- 犬夜叉が暴れた際などに、かごめが魂鎮めの言霊である「おすわり」を言うと「言霊の念珠」に込められた霊力が発動し、犬夜叉を下へと引っ張り地面に思いきり叩きつける。詳細は「言霊の念珠」を参照。
『半妖の夜叉姫』では[]
もろはの実母。巫女。日暮草太の実姉で、芽衣の伯母。とわとせつなの義理の叔母。現代人だが戦国時代に嫁ぎ、家庭を築く。りんとは相嫁同士で、彼女の出産に立ち会っている。
犬夜叉とともに殺生丸と麒麟丸に追いつめられた末に、もろはを阿波の八衛門狸に託し、殺生丸によって黒真珠に吸収された。十六夜の形見である紅を生き別れる直前のもろはに授け、のちの「国崩しの紅夜叉」の一端となる。現在は犬夜叉とともにあの世とこの世の境にいる。もろはが産霊山の結界内部の空間に迷い込んだ際にほんの数秒かつ遠目ではあるが、成長した娘の姿を目の当たりにした。
余談[]
- 前作『らんま1/2』においてメインヒロインである天道あかね、そして今作で桔梗を演じた日高のり子もかごめ役を志望し、そのオーディションに参加したとのことである。しかし、桔梗のほうが合っていると音響監督に言われて落選してしまい、桔梗役となった。
- 原作者の高橋留美子は犬夜叉役に山口勝平を熱望した一方で、かごめ役の声のイメージをつかむのに非常に難航したと語っている。かごめを演じたゆきのさつきは、かごめの度量の大きさを演じられるよう、スタジオに収録に来る際は何があっても怒らないことを心がけていたらしい。
関連画像[]
脚注[]
- ↑ 『図説大全 奥義皆伝』 p.48
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 完結時点および『半妖の夜叉姫』。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『半妖の夜叉姫』のみ。
- ↑ 小説版では交通事故で亡くなっており、それが原因で日暮一家は神社に引っ越したという設定になっている。
- ↑ 従来の高橋留美子作品には、とにかく辛いものばかりを作る『うる星やつら』のラムや、白ワインのつもりで酢を入れてしまう『らんま1/2』の天道あかねなど、驚異的な料理技術や味覚を持つヒロインが出てくることも少なくなかったが、『めぞん一刻』の音無響子などと並び、珍しくまともに料理ができるヒロインでもある。
- ↑ 作中でいつもセーラー服を着ているのは丈夫で洗い直しがきくからで、ズボンを履かないのは原作者が「描くのが嫌だから」とのこと(『図説大全 奥義皆伝』 p.51)。
- ↑ 原作ではハイレグだがアニメでは普通の水着になっている。アニメの設定画では、かごめの水着をハイレグにしないよう注意書きがなされている(『高橋留美子原画全集 アニメ犬夜叉の世界』 p.143)。
- ↑ 『高橋留美子原画全集 アニメ犬夜叉の世界』 p.155
- ↑ アニメでは桔梗から弓矢を借りて応戦するも的をはずし、あきれられるシーンがある。